「着替えよう」「そろそろ帰ろう」と声をかけても、返事は「イヤ!」。自分でやりたがるのに、手伝うとさらに怒ってしまうこともありますよね。
2歳のイヤイヤ期は、気持ちを短く受け止め、できる範囲で選んでもらい、切り替えを予告するところから試してみると対応しやすくなります。どれも必ず効く方法ではないので、その場に合うものを一つ選べば十分です。
わが家でも「自分でやりたいのにうまくできない」と泣いたり怒ったりすることがありました。この記事では、実際に試した7つの工夫と、着替え・公園・歯磨きなど場面別の声かけ、親がつらいときの対処法を紹介します。
POINT
最初は①気持ちを短く言葉にする ②小さな選択肢を用意する ③次の行動を予告するの3つから。要求をすべて受け入れる必要はありません。安全に関わることは大人が判断します。

2歳のイヤイヤ期、まずどう対応する?
2歳の子が「イヤ!」となったとき、わが家でよく使っていたのは次のような対応です。
- 「まだ遊びたかったね」など気持ちを短く言葉にする
- 「赤と青、どっち?」のように2択にする
- 急に切り替えず「あと1回ね」と予告する
- 自分でやりたいときは少し待つ
- 難しい部分だけ手伝う
- 泣いている最中に長く説明しすぎない
- 親子ともにつらいときは一度距離を取る
東京すくすくで紹介されているペアレント・トレーニングでも、子どもが行動を切り替えやすくする工夫として「予告する」「選択させる」方法が紹介されています。
どの方法も「必ずイヤイヤが止まる魔法の声かけ」ではありません。
ただ、親が一方的に「やりなさい」と進めるより、子ども自身が見通しを持ったり、少しでも自分で決められたりすると、切り替えやすくなることがあります。
そもそもイヤイヤ期はなぜ起こる?
イヤイヤ期というと「反抗している」「言うことを聞かない時期」という印象を持ちやすいですが、2歳ごろは自分の意思がはっきりしてくる時期でもあります。
「自分でやりたい」
「まだ遊びたい」
「これは嫌」
という気持ちは強くなってきても、それを十分な言葉で説明したり、思い通りにならない気持ちを自分で落ち着かせたりすることはまだ難しい時期です。
たとえば、
自分で靴を履きたい → うまく入らない → 親が手伝う → 「自分で!」と怒る
ということもあります。
実際、2歳ごろは着替えや靴、靴下など「自分でやってみる」ことも増えてくる時期です。
2歳ごろにどんなことができるようになるのかは、こちらの記事で詳しくまとめています。
イヤイヤ期はいつからいつまで?ピークは2歳?
イヤイヤ期が始まる時期や落ち着く時期には個人差があります。
博報堂が2017年9月に全国の0〜5歳児を持つ保護者9,250人を対象に行い、2018年に公表した調査では、「現在イヤイヤ期だと思う」と答えた割合は、
- 1歳後半:56.8%
- 2歳前半:77.3%
- 2歳後半:72.3%
- 3歳前半:61.3%
- 3歳後半:44.1%
でした。
この調査では2歳ごろの割合が高い一方、2歳前半でも約4人に1人は「現在イヤイヤ期だと思う」とは回答していません。これは保護者の認識を尋ねた調査で、発達を判定するものではありません。
教材編集者 MEMO
「1歳半から必ず始まって3歳で終わる」と決まっているわけではありません。
イヤイヤが目立つ時期・強さ・落ち着く時期には個人差があります。
2歳のイヤイヤ期|わが家で試した7つの対応
ここからは、わが家でイヤイヤする場面に実際に使っていた方法を紹介します。
全部を一度にやる必要はありません。
その場面に合いそうなものを試してみるくらいで十分です。
1.まず気持ちを短く言葉にする
泣いたり怒ったりしているときは、すぐ説得するより先に、
「まだ遊びたかったね」
「自分でやりたかったね」
「これが欲しかったんだね」
など、子どもの気持ちを短く言葉にするようにしていました。
ここで大事なのは、気持ちを受け止めることと、要求をすべて受け入れることは別だということ。
「欲しかったね」と言っても、買わないものは買わないままで構いません。
2.「どっちにする?」と2択にする
2歳ごろは「自分で決めたい」という気持ちも強くなってきます。
そこでわが家では、
「ピンクの靴下と白い靴下、どっちにする?」
「自分で着る?一緒に着る?」
「歩いて行く?抱っこで行く?」
のように、できる範囲で選択肢を作ることがありました。
ただ、「何がいい?」と選択肢を増やしすぎると、逆に決めにくくなることも。
2歳ごろなら2つ程度に絞るほうが使いやすかったです。
3.切り替えが必要なときは先に予告する
楽しく遊んでいるところへ突然「帰るよ」と言われたら、大人でも気持ちを切り替えにくいですよね。
わが家では、
「あと1回滑ったら帰ろう」
「これが終わったらお風呂にしよう」
「あと少ししたらお片づけだよ」
など、できるだけ先に伝えるようにしていました。
まだ時計の時間が分かりにくい年齢なので、「あと5分」より「あと1回」「これが終わったら」のほうが理解しやすい場面もあります。
4.「自分で!」のときは少し待つ
2歳ごろは、靴・靴下・着替えなどを自分でやりたがることも増えてきました。
急いでいると、つい大人が全部やってしまいたくなります。
でも、時間に余裕があるときは少し待ってみると、自分でできる部分も意外とありました。
実体験
「自分で!」と言っているときは、最初から全部手伝うより、一度本人にやってもらうようにしていました。
それでも難しいところだけ、「ここだけやろうか?」と手伝うほうが受け入れてくれることが多かったです。
5.難しいところだけ手伝う
「自分でやりたい。でも全部はまだ難しい」という2歳には、大人が難しい部分だけ準備する方法も使いやすかったです。
たとえば、
- 靴下 → 履き口を広げて渡す
- 靴 → 足を入れやすいように履き口を開く
- 着替え → 前後が分かる目印をつける
- はさみ → 最初は親が紙を持つ
といった方法です。
「手伝う=全部やる」ではなく、自分でできるところを残しておくと満足しやすいこともありました。
6.泣いている最中は長く説明しすぎない
大泣きしている最中に、
「さっき説明したよね。今日はもう帰る時間で、明日も来られるから……」
と長く説明しても、なかなか話が入らないことがあります。
そんなときは、まず安全を確保して、
「帰りたくなかったね」
「ここで待ってるよ」
など、言葉を短くするようにしていました。
落ち着いてから必要なことを伝えるほうが、親側も話しやすくなります。
7.毎回「理想の対応」をしようとしない
これが意外と大事でした。
「共感しなくちゃ」
「怒らないようにしなくちゃ」
と思っていても、時間がない日や親自身が疲れている日はあります。
わが家でも、毎回余裕を持って対応できていたわけではありません。
うまく対応できなかった日があっても、次の場面でまた試せばいい、くらいに考えるようにしていました。

場面別|2歳のイヤイヤ期、こんなときどうする?
着替えを嫌がる
着替えそのものが嫌というより、
- 自分でやりたい
- 遊びを中断したくない
- 着たい服が別にある
などの理由が隠れていることもあります。
「自分で着る?一緒に着る?」と選ばせたり、本人ができる部分は任せたりすると進みやすいことがありました。
2歳の着替えについては、こちらでわが家の進み方を詳しくまとめています。
着替えの工程ごとの手伝い方は、2歳の着替えができないときの練習と手伝い方でも紹介しています。
靴を履きたがらない
「靴を履いて」ではなく、
「自分で履く?少し手伝う?」
と聞くだけで動き出すこともあります。
自分で履きたい場合は、履き口だけ大人が広げておくなど、成功しやすい状態にしておくのもひとつです。
公園から帰りたくない
いきなり「帰るよ!」ではなく、少し前に終わりを知らせるようにします。
わが家では、
「あと1回滑ったら帰ろう」
「最後はブランコと滑り台、どっちにする?」
など、終わりを本人にも分かりやすくする方法を使っていました。
歯磨きを嫌がる
歯磨きは「やらなくてもいい」にしにくい場面です。
そんなときは、歯磨きをする・しないではなく、
「座って磨く?寝転んで磨く?」
「自分で先に磨く?ママが先?」
など、方法を選んでもらうと「自分で決めた」感覚を残せます。
お店で「買って!」と泣く
「欲しかったね」と気持ちは受け止めても、買わないと決めたものまで買う必要はありません。
わが家では、気持ちへの共感とルールは分けて考えるようにしていました。
「欲しいよね。でも今日は買わないよ」
と短く伝え、同じ説明を何度も増やしすぎないようにします。
何を聞いても全部「イヤ!」
何を提案しても全部「イヤ!」になることもあります。
そんなときは、選択肢を増やし続けるよりも、一度やり取りを止めて少し待つほうがよいこともあります。
危険がないことを確認したうえで、子どもが落ち着くまでそばで待つ、少し距離を取るなど、その場に合わせて対応します。
イヤイヤ期がひどくて親がイライラするときは?
イヤイヤ期の記事では子どもへの対応ばかり注目されがちですが、毎日付き合う親側もしんどくなります。
東京すくすくの子育て相談でも、2歳のイヤイヤへの対応として「待つこと」と、親自身を追い詰めないことが紹介されています。
わが家でも、余裕がないときは、
- 安全を確保して少し距離を取る
- 家族がいるなら交代する
- 予定をひとつ諦める
- 家事を最低限にする
- その日の「正しい対応」にこだわらない
ということもありました。
実体験
「今日も全部うまく対応できなかった」と考えるより、「今日はこれで終わり。明日はまた別の日」と切り替えるほうが、私自身も余裕を取り戻しやすかったです。
つらさが続くときは、身近な人や自治体の相談窓口に頼ることも選択肢です。
イヤイヤ期がない・軽い子もいる
「うちの子、2歳なのにあまりイヤイヤしないけれど大丈夫?」と気になることもあるかもしれません。
イヤイヤ期は全員に同じ強さで現れるわけではありません。
博報堂の調査でも、イヤイヤ期と回答した割合が最も高かった2歳前半で77.3%。つまり、約4人に1人は「現在イヤイヤ期だと思う」とは回答していません。
イヤイヤが激しくないという一点だけで、「自我が育っていない」などと考える必要はありません。
子どもの自己主張の表し方や性格、環境によっても見え方は変わります。
「イヤイヤ期だから」で済ませず相談してもいい
イヤイヤ期は多くの家庭で経験されますが、親子ともに生活がとてもつらくなっている場合まで「イヤイヤ期だから我慢しなければ」と考える必要はありません。
たとえば、
- 毎日の生活が回らないほど困っている
- 家族だけでは対応が難しいと感じる
- 言葉・運動・コミュニケーションなど、イヤイヤ以外にも発達について気になることがある
- 保護者自身がかなり追い詰められている
といった場合は、かかりつけの小児科や自治体の保健センター、子育て相談窓口などで相談できます。こども家庭庁の「親子のための相談LINE」も、保護者が子育てや親子関係を相談できる窓口です。
注意・補足
「イヤイヤが激しい」「イヤイヤ期が長い」ということだけで、発達の状態を判断することはできません。
気になることがある場合は、インターネット上の情報だけで判断せず、専門機関に相談してください。
まとめ|イヤイヤ期は「自分で」の気持ちと付き合う時期
2歳ごろのイヤイヤ期では、「言うことを聞かせる」ことだけを目標にすると、親子ともにつらくなりがちです。
わが家では、
気持ちを受け止める、2択にする、予告する、待つ、必要なところだけ手伝う。その日の状況や子どもの様子に合わせて、試せることから取り入れてみてください。
どれを試してもダメな日もあります。
それでも、「自分でやりたいんだな」「今は切り替えにくいんだな」と一度考えてみるだけで、大人側の対応を選びやすくなることがあります。
2歳ごろに身の回りのことがどこまでできるようになるのか気になる方は、こちらの記事もあわせて参考にしてください。
参考文献・参考情報
※調査データは2017年実施・2018年公表のものです。記事内の声かけ例は、わが家で使った言い回しをもとに、読者が参考にしやすい形に整えた例も含みます。子どもによって合う方法は異なります。