「4歳なのに、まだ右と左を間違えることがある」
「自分の右手はわかるのに、向かい合った人の右手になると迷う……」
年中ごろになると、ひらがなや数字だけでなく、「右と左はもうわかるもの?」と気になることがありますよね。
わが家の娘は、3歳ごろから自分の右・左はだいたいわかっていました。
ただ、「こっちが右だよね?」と確認することはよくありました。
そして4歳後半になって、七田式プリントに取り組んでいたときに、少し違う難しさにぶつかりました。
正面を向いている人物のイラストを見て、「帽子をかぶっていて、右手に傘を持っている子」のような条件に合う子を選ぶ問題です。
自分の右手ならわかる。でも、こちらを向いている人の「右手」は自分から見ると反対側。
そこで迷っている様子を見て、私も「4歳で左右に迷うのは遅いのかな?」と少し気になりました。
4歳後半の娘は、自分の右左はだいたいわかります。一方で、正面を向いている人の左右では迷うことがありました。調べてみると、左右は上下・前後より理解が複雑で、自分を基準にする場合と相手を基準にする場合でも難しさが変わります。
この記事では、4歳で右と左がわからない・間違えるのは遅いのか、なぜ向かい合うと混乱しやすいのかを、わが家の実体験とあわせて紹介します。
※子どもの発達には個人差があります。この記事は、わが家の体験と公開されている研究資料をもとにまとめたもので、発達を診断するものではありません。

4歳で右と左がわからないのは遅い?
結論からいうと、4歳で右と左を間違えることがある、という一点だけで「遅い」と判断するのは難しいです。
「右」「左」は、単に言葉を覚えれば終わりではありません。
- 自分の右手・左手
- 自分から見て右・左にあるもの
- 向かい合った人の右手・左手
- 人や物の位置関係を見て右・左を判断する
では、考え方が少しずつ違います。
方向概念について3〜11歳の子どもを調べた日本の研究では、上下・前後・左右は同じように理解されるわけではなく、左右はより難しい方向概念だったことが報告されています。
また、自分の身体を基準に左右を判断する場合より、正面から向かい合った人を基準に左右を判断する場合のほうが難しくなることも示されました。
この研究は1968年のもので、研究内で示された年齢を「現代の子どもが何歳までに左右を理解すべきか」という基準として使うことはできません。ここでは、「左右は方向概念の中でも難しく、視点が変わるとさらに難しくなる」という知見を参考にしています。
2026年の日本地理学会の報告でも、子どもの空間認識はまず自分の身体を基準にした「自己参照枠」から始まり、成長とともに周囲の環境など別の基準も使えるようになると整理されています。
そのため、「自分の右手はわかるのに、向かい合った人の右手で迷う」というわが家の様子も、同じ問題ができる・できないだけでは整理できないのだと感じました。
自分の右左と、相手の右左は難しさが違う
自分の右手なら、「いつも鉛筆を持つほう」「お箸を持つほう」のように、自分の身体と結びつけて考えられます。
ところが、向かい合った人の右手は違います。
相手がこちらを向いていると、相手の右手は、自分から見ると左側に見えます。
つまり、「自分だったら右はこちら」と考えるだけでは答えられず、相手の立場に基準を移して考える必要があります。
5歳児の左右認識について扱った研究でも、対面している人物では左右が逆になるため認識しにくいことが指摘されています。
「右と左は知っているはずなのに、どうして迷うんだろう?」と思っていましたが、問題をよく見ると、娘が迷っていたのは単純な「右・左」ではありませんでした。
“自分ではない人の右と左を考える”という、一段階違う課題だったのだと思います。
わが家の4歳|右左はわかるけれど、ときどき確認する
3歳ごろから自分の右左はだいたいわかっていた
娘は3歳ごろから、右と左そのものはだいたいわかっていました。
まったく区別がついていないという感じではありません。
ただ、「右はこっちだよね?」というように、よく確認していました。
一方で、上・下、前・後ろについては特に迷っている様子はありませんでした。
同じ「位置を表す言葉」でも、娘にとっては左右だけ少し自信が持ちにくかったようです。
七田式プリントで正面を向いた人の「右手」に混乱
左右について改めて気になったきっかけが、4歳後半で取り組んでいた七田式プリントでした。
複数の人物イラストを見て、説明に合う子を選ぶような問題がありました。
たとえば、「帽子をかぶっていて、右手に傘を持っている子」というように、いくつかの条件を確認しながら答えを選ぶタイプの問題です。
そこで娘が迷ったのが、こちら側を向いている人物の右手・左手でした。
自分の右手はわかっていても、イラストの子の右手を考えると左右が逆に見えます。
私は最初、「右と左はわかっていたはずなのに」と少し不思議に感じました。
でも、問題を分解して考えてみると、左右だけでなく、説明文の条件を読み取り、人物を見比べ、さらにその人物を基準に右左を判断する必要があります。
娘にとって、そこが少し難しかったのだと思います。
七田式プリントBは、公式では3歳6か月〜5歳が対象とされ、「ちえ・もじ・かず」を総合的に扱う教材です。わが家では4歳6か月からBを使っています。左右の問題だけでなく、いろいろな角度から考える問題に触れることで、「ここでは迷うんだ」と親が気づくきっかけにもなっています。
七田式プリントBとCのどちらから始めるか迷った経緯については、こちらの記事で詳しくまとめています。
ママと向かい合って「ママの右はどっち?」と考えるように
プリントで迷ったあと、娘は実際に私と向かい合って左右を確認することがありました。
「ママの右手はどっち?」
「じゃあ、自分の左手は?」
そんなふうに、自分と私を見比べながら考えていました。
最初からすぐに答えられたわけではありません。
でも、何度か経験するうちに、最近は以前よりわかってきたように感じます。
「右左の特訓をしよう」と始めたわけではなく、プリントで疑問を持ったことをきっかけに、生活の中で自然に考えるようになった形です。
4歳に右と左をどう教える?わが家でしていること
わが家では、左右を覚えるための特別な練習時間は作っていません。
普段の生活の中でわからなくなったときに、少しヒントを出すくらいです。
「鉛筆やお箸を持つほうが右」と声をかける
娘は右利きなので、左右に迷ったときは、
「鉛筆を持つほうが右だよ」
「お箸を持つほうが右だよ」
と声をかけています。
「右」という言葉だけを覚えるよりも、普段よく使っている手と結びつけるほうが、娘には思い出しやすそうです。
「お箸を持つほうが右」という覚え方は、右利きのわが家で使っている方法です。左利きのお子さんには当てはまりません。お子さん自身が覚えやすい動作や目印と結びつけるのがよさそうです。
実際に向かい合って、自分と相手の左右を考える
正面を向いた人物の左右で迷ったときには、紙の上だけで説明するより、実際に向かい合ってみるとわかりやすそうでした。
私が右手を上げて、
「これはママの右手?左手?」
「じゃあ、自分の右手は?」
と確認します。
大人にとっては当たり前でも、向かい合うと右と左が反対側に見えることを、実際に身体を使って確かめられます。
幼児の左右認識を扱った研究でも、言葉だけで覚えるのではなく、自分自身が動いたり物を操作したりしながら位置関係に触れることの大切さが指摘されています。
無理に何度も答えさせない
今のところ、娘が間違えたからといって、左右だけを何度も練習させることはしていません。
「こっちが右だね」と確認したら、その日はそれで終わり。
また生活やワークの中で出てきたときに、一緒に考えています。
3歳のころより4歳後半の今のほうが明らかに迷うことは減っていますし、最近は自分で考えて答えられる場面も増えてきました。
わが家では、「今日できるようにする」より、自然に経験を重ねながら理解していけばいいかな、と思っています。

左右を覚えるためにワークは必要?
右と左を覚えるためだけに、必ずワークを用意する必要はないと思っています。
日常生活の中にも、左右に触れる機会はあります。
- 右手・左手を使う
- 右側・左側にあるものを見る
- 右や左に曲がる
- 人と向かい合う
こうした経験の中で、「右」「左」という言葉と位置を少しずつ結びつけることもできます。
一方で、今回のわが家のように、ワークがきっかけで「自分の左右はわかるけれど、人の左右になると迷う」と気づくこともあります。
家庭学習の教材には、左右だけでなく、上下・前後・順序・比較・形・条件整理など、いろいろな考え方に触れられるものがあります。
わが家で実際に使っている4歳向け教材については、こちらの記事にまとめています。
最初は少し心配。でも今は自然に様子を見たい
正直にいうと、娘が何度も右左を確認していたときは、私も少し心配でした。
「4歳なら、もう迷わず答えられるものなのかな」
そんなふうに思ったこともあります。
でも、今回改めて娘の様子を見てみると、右左がまったくわかっていないわけではありませんでした。
自分の右と左はだいたい理解している。
そのうえで、正面を向いている人の左右になると迷う。
そして一度迷ったことをきっかけに、実際に私と向かい合って「ママの右は?」「自分の左は?」と自分なりに考えている。
最近では、その理解も少しずつ進んできています。
4歳後半の現在は、「まだ左右を間違える」とできない部分だけを見るより、3歳のころと比べてどこまでわかるようになったかを見るようにしています。今のところは急いで覚えさせず、生活や家庭学習の中で自然に左右に触れながら様子を見ていくつもりです。
4歳・年中の家庭学習全体について「どこまでできればいい?」と気になる方は、こちらの記事も参考にしてください。
4歳の勉強はどこまで?年中でできること・家庭学習の目安を教材編集者が解説
4歳の右左についてよくある質問
右と左は何歳からわかる?
「○歳になったら必ず左右がわかる」という一律のラインで考えるのは難しいです。
左右の理解については、何を「わかる」とするかでも難易度が変わります。
- 自分の右手を答える
- 右側にあるものを選ぶ
- 向かい合った人の右手を答える
- 複数の人や物の左右関係を判断する
これらをすべて同じ「左右がわかる」と考えないほうが、子どもの様子を見やすいと思います。
古くからの発達研究でも、左右は上下や前後より難しく、さらに対面する人へ視点を移した左右判断は、自分の身体を基準にする場合より難しいことが示されています。
自分の右左はわかるのに、人の右左で迷うのはなぜ?
向かい合っている人の右は、自分から見ると反対側に見えるからです。
自分の身体を基準に「こちらが右」と判断するだけでなく、相手の立場に基準を移す必要があります。
そのため、自分の右手はすぐ答えられても、正面を向いた人の右手になると迷うことがあります。
わが家の娘も、まさにこのパターンでした。
左右を間違えるたびに練習したほうがいい?
わが家では、左右だけを取り出して毎日練習することはしていません。
迷ったときに「鉛筆を持つほうが右だね」と確認したり、実際に向かい合って考えたりする程度です。
日常生活の中でも「右」「左」という言葉を使う機会は作れるので、今は無理に正解させるより、少しずつ経験を増やしたいと考えています。
左右だけ苦手なら心配しなくていい?
この記事だけで「大丈夫」「問題がある」と判断することはできません。
わが家では、上下・前後は理解していて、自分の左右もだいたいわかり、以前より理解が進んでいるため、今は自然に様子を見ています。
一方で、左右に限らず日常生活のさまざまな場面で困りごとがあったり、保護者として気になることが続いたりする場合は、園の先生など普段のお子さんの様子を知っている人に相談してみる方法もあります。
まとめ|4歳で左右に迷っても、わが家では少しずつわかってきた
4歳後半の娘は、自分の右と左はだいたいわかっています。
ただ、七田式プリントで正面を向いた人物の「右手」「左手」を考える問題では、迷うことがありました。
その後は私と向かい合って、「ママの右手はどっち?」「自分の左手は?」と考える姿も見られ、最近は少しずつ理解できるようになってきています。
左右は、単に「右」「左」という言葉を覚えるだけではなく、自分を基準にするのか、相手を基準にするのかによって難しさが変わります。
わが家では、「4歳なのにできない」と焦るより、日常生活や家庭学習の中で自然に左右を使いながら、もう少し様子を見ていきたいと思っています。
「4歳でまだできないことがあって心配」と感じている方には、時計についてのわが家の実体験もまとめています。
参考文献・参考サイト
- 勝井晃「方向概念の発達的研究―空間方向に関するコトバの理解を手がりとして―」『教育心理学研究』16巻1号、1968年
- 飯島典子「一貫地理教育における幼時期の教育と小学校生活科」2026年日本地理学会春季学術大会
- 「幼児の数概念の形成に関する研究―5歳児における位置(左右)の認識について―」
- 七田式公式通販「七田式プリントB」商品情報
※参考資料は2026年9月19日時点で確認しています。古い発達研究については、そこで示された年齢を現在の発達基準として用いず、方向概念や視点移動の難しさを理解するための参考として使用しています。