「もう4歳なのに、全然歩いてくれない……」
「家を出て少ししか歩いていないのに、すぐ『抱っこ!』になる」
「公園ではあんなに走っているのに、どうして移動になると歩かないの?」
4歳の子どもが歩きたがらないと、「体力がないのかな?」「抱っこしすぎた?」「甘やかしてしまった?」と心配になりますよね。
周りの同じくらいの子がスタスタ歩いていると、なおさら気になってしまうこともあると思います。
でも、まず知っておきたいのが、
「歩きたがらない=歩く力がない」とは限らない
ということです。
疲れている、眠い、暑い、靴が気になる、目的地に興味がない……。
4歳の「歩きたくない」には、いろいろな理由が考えられます。
この記事では、
- 4歳が歩きたがらないのはおかしい?
- 4歳はどれくらい歩けばいい?
- 公園では走るのに移動では歩かないのはなぜ?
- すぐ「抱っこ」と言う理由は?
- 楽しく歩いてもらうにはどうしたらいい?
- どんな場合は医療機関へ相談したほうがいい?
といった疑問について、幼児期の運動に関する公的な情報も確認しながらわかりやすく解説します。
「歩かせなきゃ」と頑張る前に、まずは子どもが歩きたくない理由を一緒に考えてみましょう。
contents
4歳なのに歩きたがらないのはおかしい?
結論からいうと、「4歳なのにあまり歩きたがらない」という一点だけで、発達や体力に問題があるとは判断できません。
子どもの発達や体力には個人差があります。
また、同じ子でも、
「昨日はたくさん歩いたのに、今日は全然歩かない」
ということもあります。
睡眠、体調、気温、その日すでにどれくらい活動したかなど、さまざまな条件が違うからです。
4歳はどれくらい歩ける?
歩育について調べていると、
「年齢×1km」
という目安を見かけることがあります。
その考え方なら、
4歳=4km
になります。
すると、
「4歳なら4kmくらい歩けないといけないの?」
と不安になるかもしれません。
ですが、4歳児全員に「1日○km歩くこと」を求める公的な基準があるわけではありません。
幼児期は個人差も大きいため、「4歳だから○km」と数字だけで判断する必要はありません。
4歳の歩く距離について詳しく知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています↓
4歳の歩育はどれくらい?歩く距離・時間の目安と効果を教材編集者が解説
公園では走るのに、移動になると歩かないこともある
「体力がないなら仕方ないけれど、公園ではずっと走っているんです!」
というケースもありますよね。
これは親としては、
「それだけ走れるなら帰りも歩けるでしょ!」
と言いたくなるところ。
でも、公園で好きな遊びをすることと、目的地まで移動することは、子どもにとって同じではありません。
たとえば、
- 滑り台をしたい
- 追いかけっこをしたい
- 虫を探したい
なら、自分からどんどん動く子でも、
「スーパーまで15分歩く」
となると途端に「抱っこ」と言うことがあります。
体力だけではなく、「その活動をやりたいかどうか」も違うからです。
「公園では走るのに歩かない=おかしい」と考えなくても大丈夫です。
4歳が歩きたがらない7つの理由
では、なぜ4歳の子どもは歩きたがらないのでしょうか。
原因は一つとは限りません。
まずは「歩きなさい」と言う前に、こんな理由が隠れていないかチェックしてみましょう。
①単純に疲れている
大人からすると、
「まだ10分しか歩いていないのに?」
と思うこともあります。
でも、その10分だけで判断することはできません。
たとえば幼稚園や保育園では、
- 園庭で遊ぶ
- 走る
- 階段を上り下りする
- 体操をする
- お散歩をする
など、すでにたくさん体を動かしているかもしれません。
特に園からの帰り道に「抱っこ!」となる場合は、その日の活動全体を考えてみましょう。
②眠い・お腹が空いている
4歳でも、眠気や空腹によって機嫌や活動量は変わります。
午前中は元気に歩けたのに、夕方になると急に歩かなくなる。
そんな場合は「体力がない」のではなく、単純に疲れや眠気がたまっている可能性もあります。
子どもが歩きたがらないときは、
「何km歩いた?」
だけでなく、
「今日は何時に起きた?」「お昼寝した?」「お腹は空いていない?」
という視点も持っておくと、理由を考えやすくなります。
③暑い・寒い
気温や湿度によっても、歩きやすさは大きく変わります。
特に暑い日は、歩育のためだからと無理に歩かせる必要はありません。
「毎日歩くこと」をノルマにするのではなく、その日の天候や子どもの様子を見ながら調整しましょう。
④靴が合っていない
意外と見落としやすいのが靴です。
- サイズが合っているか
- 靴擦れしていないか
- 足を痛がっていないか
- 履き慣れているか
なども確認してみましょう。
大人でも、足が痛い靴で長時間歩きたくありませんよね。
子どもが「歩きたくない」と言ったときに、足や靴を一度確認してみるだけでも違います。
⑤歩くこと自体が退屈
大人には、
「駅まで歩く」
という明確な目的があります。
でも、子どもにとっては、
「ただ道路を15分歩く」
だけになっていることも。
4歳ごろになると興味のあることもどんどん増えてきます。
だからこそ、歩くことを単なる「移動」にせず、遊びに変えてしまうのがおすすめです。
具体的な方法は後ほど紹介します。
⑥目的地に興味がない
「スーパーに行くよ!」
では歩かないのに、
「公園にどんぐりを探しに行こう!」
と言うと歩き出す。
そんなこともあります。
同じ距離でも、目的地が違えば子どもの気持ちも変わります。
「歩くのが嫌い」と決めつけず、
「どこなら歩きたくなるかな?」
と考えてみるのも一つの方法です。
⑦抱っこしてほしい
4歳になったからといって、急に親に甘えたくなくなるわけではありません。
疲れたときや眠いとき、安心したいときなどに「抱っこ」と言うこともあるでしょう。
そのため、
「抱っこって言うのは甘やかしたから?」
と必要以上に自分を責めなくても大丈夫。
一方で、毎回同じ場面で抱っこになるなら、
「どんなときに抱っこって言うんだろう?」
と観察してみると、疲れや眠気、退屈など別の理由が見えてくるかもしれません。

4歳が歩きたくなる7つの工夫
ここからは、わが家でも取り入れやすい「歩くことを遊びにする工夫」を紹介します。
ポイントは、
「歩かせる」のではなく「歩きたくなる状況をつくる」こと。
特別な道具がなくてもできます。
①歩くこと自体を目的にしない
「今日は30分散歩するよ!」
より、
「どんぐり探しに行こう!」
のほうが子どもにとって魅力的かもしれません。
たとえば、
- 電車を見に行く
- 公園へ行く
- 花を探す
- パン屋さんへ行く
- ポストまで手紙を出しに行く
など。
歩くことを「トレーニング」にせず、楽しい目的までの過程にしてみます。
②探し物ゲームをする
これは4歳ごろの散歩と相性のいい遊びです。
たとえば、
「赤い車を3台見つけよう!」
「数字の『4』を探そう」
「黄色いお花はあるかな?」
「『あ』が書いてある看板を見つけよう!」
など。
いつもの道でも「探すもの」があるだけで景色が変わります。
ひらがなや数字に興味がある子なら、散歩がちょっとした知育遊びにもなります。
ただし、文字や数字を覚えさせることが目的になりすぎないように。
見つからなくても、
「なかったね。また探そう!」
くらいで十分です。
③子どもに道を選んでもらう
安全に選べる道なら、
「右と左、どっちに行く?」
と聞いてみるのもおすすめです。
大人に連れて行かれる散歩から、
「自分で決める散歩」
に変わります。
「今日はこっち!」
と選ぶだけでも、ちょっとした冒険になります。
もちろん、交通量の多い場所などでは安全を最優先にしてください。
④公園とセットにする
幼児期の運動は「歩くことだけ」に限定する必要はありません。
むしろ、
歩く→公園で遊ぶ→歩く
という流れなら、
- 歩く
- 走る
- 跳ぶ
- 登る
- ぶら下がる
など、いろいろな動きを経験できます。
「今日は何km歩けたか」だけでなく、
「今日はどんなふうに体を動かしたかな?」
という視点で見てみましょう。
⑤短い距離から始める
昨日までほとんど歩かなかった子に、
「4歳だから今日は4km!」
という目標を設定する必要はありません。
まずは、
「今日は公園まで歩いてみよう」
「帰り道の途中まで歩こう」
など、親子ともに無理のないところから。
楽しく終われる距離から始めたほうが、次の「また歩こう」につなげやすくなります。
⑥距離ではなく「発見」を褒める
つい、
「今日はいっぱい歩けたね!」
と言いたくなります。
もちろん、それも悪いことではありません。
でも、
「きれいな葉っぱ見つけたね」
「猫見つけるの早かったね!」
「一緒に歩けて楽しかった」
など、歩いている途中の経験にも目を向けてみましょう。
散歩が、
「長く歩けたら成功」
だけにならないようにすることが大切です。
⑦親も一緒に楽しむ
歩育という言葉を知ると、
「体力をつけなきゃ」
「毎日歩かせなきゃ」
と考えてしまうかもしれません。
でも、幼児期の運動はトレーニングではありません。
子ども自身が、
「楽しい!」
「もう一回やりたい!」
と思えることも大切です。
「今日はどこ行こうか?」
「面白いものあるかな?」
そんな会話をしながら、親子で楽しめる範囲から始めてみましょう。

それでも「抱っこ!」と言われたら?
工夫しても「抱っこ!」になる日はあります。
そんなときに、
「もう4歳なんだから歩きなさい!」
と言いたくなることもありますよね。
でも、まずはその日の状況を確認してみましょう。
「もう4歳でしょ!」と年齢だけで判断しない
同じ4歳でも体力や発達には個人差があります。
さらに同じ子でも、日によってコンディションは違います。
「昨日歩けたんだから今日も歩けるでしょ」
とは限りません。
眠い日もあれば、疲れている日もあります。
年齢や距離だけで判断するのではなく、目の前の子どもの様子を見ることを大切にしましょう。
家庭なりのルールを決めるのもあり
毎回どうするか悩むなら、家庭なりのルールを作ってもいいでしょう。
たとえば、
「疲れたらまずベンチで休もう」
「ここまで一緒に歩いてみよう」
など。
大切なのは「○歳だから絶対に抱っこしない」というルールにすることではありません。
親子ともに無理なく続けられる方法を探してみてください。
疲れている日は「今日はここまで」でもいい
歩育はノルマではありません。
今日はたくさん歩く。
明日は公園で遊ぶ。
雨の日は家の中で体を動かす。
そんな日があっていいと思います。
長い目で見て、体を動かすことを嫌いにならないほうが大切です。
4歳の体力をつけるなら「歩くだけ」にしなくてOK
「体力をつける=たくさん歩かせる」
と思っていませんか?
実は、幼児期には歩くだけではなく、いろいろな動きを経験することが大切です。
幼児期はさまざまな動きを遊びの中で経験しよう
文部科学省の「幼児期運動指針」では、幼児が自発的に取り組む遊びを中心として体を動かすことを重視しています。
目安として示されているのは、
毎日、合計60分以上、体を動かすこと。
ただし、これは、
「毎日60分間ウォーキングしましょう」
という意味ではありません。
園や家庭、地域での活動を含め、
- 歩く
- 走る
- 跳ぶ
- 登る
- 投げる
- 遊ぶ
など、生活の中でさまざまな身体活動を経験していくイメージです。
また、幼児期は同じ年齢でも発達の個人差が大きいため、一人ひとりの発達に応じた配慮が必要とされています。
だからこそ、
「4歳なら○km」という数字だけにとらわれなくても大丈夫です。
公園遊びも立派な身体活動
散歩に行った先で、
- 滑り台をする
- 追いかけっこをする
- ボールを投げる
- 遊具に登る
- ジャンプする
のも、もちろん体を動かす経験です。
「今日は1kmしか歩かなかった」
ではなく、
「公園でたくさん体を動かしたね」
という見方もしてみましょう。
習い事をしなくても体を動かす機会は作れる
4歳になると、
「体操教室に行ったほうがいい?」
「水泳を始めたほうがいい?」
と習い事も気になってきます。
もちろん習い事も選択肢の一つです。
でも、体を動かすために必ず習い事が必要というわけではありません。
公園遊びや散歩など、毎日の生活にも体を動かす機会はたくさんあります。
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「歩きたくない」で済ませず相談したいケースもある
ここはとても大切です。
普段元気に遊んでいる子が「今日は抱っこ」と言うことと、痛みや歩き方の異常があって歩けないことは分けて考える必要があります。
たとえば、
- 足や関節などを痛がる
- 足を引きずるなど歩き方に明らかな変化がある
- 片足に体重をかけたがらない
- 転倒やけがのあとから歩きたがらなくなった
- 腫れなど気になる変化がある
- 痛みなどの訴えが続いている
といった場合は、「体力をつければ大丈夫」と自己判断せず、医療機関への相談を検討してください。
「歩けるから大丈夫」とは限りません。
いつもの「抱っこ!」と様子が違うと感じたときは、無理に歩かせないようにしましょう。

4歳が歩きたがらないときのよくある質問
4歳なのにすぐ抱っこを求めるのは甘やかし?
抱っこを求める理由は一つではないので、「甘やかし」と一括りにはできません。
疲れ、眠気、暑さ、退屈などが関係していることもあります。
「抱っこって言わないの!」と叱る前に、
いつ・どんな場面で抱っこになるのか
を観察してみるのがおすすめです。
4歳ならベビーカーは卒業したほうがいい?
年齢だけで一律に決める必要はありません。
長時間のお出かけ、旅行、きょうだいとの移動など、家庭によって状況はさまざまです。
ベビーカーを使っていることだけを理由に、「歩く力が育たない」と決めつける必要もありません。
普段の生活の中で体を動かす機会も作りながら、家庭に合った移動方法を選びましょう。
4歳は1日何km歩けばいい?
「4歳なら毎日○km」という一律の公的基準はありません。
距離だけではなく、1日の生活全体でどのように体を動かしているかを見ることが大切です。
詳しくはこちらの記事で解説しています↓
4歳の歩育はどれくらい?歩く距離・時間の目安と効果を教材編集者が解説
歩けば体力はつく?
歩くことは、日常に取り入れやすい身体活動の一つです。
ただし幼児期は、歩行だけに偏るのではなく、遊びの中でいろいろな動きを経験することが大切です。
散歩+公園遊びなど、子どもが楽しめる方法で体を動かす機会を作っていきましょう。
まとめ|「歩かせる」より「歩きたくなる」工夫を
4歳なのに歩きたがらない。
すぐに「抱っこ!」と言う。
そんな日が続くと、
「体力がないのかな」
「甘やかしてしまったかな」
と心配になるかもしれません。
でも、「歩きたがらない=体力不足」とは限りません。
疲れている。
眠い。
暑い。
靴が気になる。
目的地に興味がない。
歩くのが退屈。
いろいろな理由が考えられます。
だからこそ、最初から「歩かせること」を目標にするのではなく、
「どうしたら歩く時間を楽しめるかな?」
と考えてみるのがおすすめです。
どんぐりを探す。
数字を探す。
子どもに道を選んでもらう。
歩いて公園へ行く。
特別なことをしなくても、いつもの散歩は十分楽しい遊びになります。
「今日は何km歩けた?」
ではなく、
「今日は何を見つけた?」
そんな会話が増えていけば、歩く時間そのものが親子の楽しい時間になっていくかもしれません。
無理に長い距離を目指さず、その日の子どもの様子を見ながら。
「また歩きたい」と思える経験を、少しずつ増やしていきましょう。
参考文献・参考資料
本記事の作成にあたり、以下の資料を参考にしています。
・文部科学省「幼児期運動指針」
幼児期に経験したい基本的な動きや、運動の考え方について参考にしました。幼児期は発達の個人差が大きいことや、家庭・地域・園などでの活動を合わせて、さまざまな遊びを中心に「毎日、合計60分以上」楽しく体を動かすことが望ましいとされています。
文部科学省「幼児期運動指針」
※本記事は一般的な育児・運動に関する情報を紹介するものであり、個別の診断や治療を目的としたものではありません。歩き方の変化や痛み、腫れなど気になる症状がある場合は、医療機関へご相談ください。
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