「4歳で足し算ができるようになったけれど、引き算もそろそろ教えたほうがいい?」
「年中なら、引き算くらいできるのが普通?」
「5−2のような計算を、どうやって教えればいいの?」
4歳・年中ごろになると、数字に慣れて簡単な足し算ができる子も出てきます。
すると次に気になるのが「引き算」ではないでしょうか。
わが家でも、引き算を本格的に教えようと思って始めたわけではありません。
娘が足し算の問題を「出して〜」と楽しんでいたので、試しに「5個あって2個なくなったら?」と引き算の問題も出してみたところ、思ったよりすんなり答えられたのが始まりでした。
4歳・年中で引き算ができなくても、遅いとはいえません。
幼児期に「○歳なら引き算ができること」を求める公的な到達基準はなく、減法は小学校1年生の算数でも学びます。
家庭では、いきなり式を覚えるより「減る」「残る」「何個違う?」を実物で経験するところから始めれば十分です。
この記事では、教材編集に携わる立場と、実際に4歳児と家庭学習をしている母親の両方の視点から、4歳・年中の引き算について解説します。
4歳・年中で引き算ができるのは普通?できなくても大丈夫?
まず気になるのが、「4歳で引き算ができないのは遅いの?」という点ですよね。
結論からいうと、4歳・年中で引き算ができなくても、それだけで遅いと考える必要はありません。
文部科学省の幼稚園教育要領解説では、幼児期の数量について、遊びや生活の中で数に親しみ、自分にとって必要な場面で数えたり比べたりする経験を重ねることが大切にされています。
「4歳までに引き算ができる」「年中なら○まで計算できる」といった一律の到達ラインは示されていません。
引き算は小学校1年生で学ぶ
現在の小学校学習指導要領では、1年生の算数で加法・減法の意味や、それらが使われる場面、式の表し方、1位数の計算などを学びます。
つまり、幼児期に引き算の計算を完成させてから小学校へ入らなければならないわけではありません。
むしろ4歳ごろなら、
- 5個あったものが2個なくなると減る
- お菓子を食べると残りが少なくなる
- 5個と3個では5個のほうが多い
- 「何個違う?」と比べてみる
といった、引き算につながる数の感覚を生活の中で経験することにも十分意味があります。
「5−2=3と言える」ことと、「5個から2個取ると3個残る」と理解していることは、必ずしも同じではありません。
幼児期は答えの速さだけを見るより、数がどう変わったのかを本人がイメージできているかを大切にしたいところです。

わが家が4歳で引き算を始めたきっかけ
わが家で引き算を始めたのは、足し算を始めた少しあとでした。
ただし、「今日から引き算を勉強しよう」とプリントを用意したわけではありません。
娘が足し算に興味を持ち、
「問題出して〜」
と言うようになったので、足し算に混ぜて簡単な引き算を出してみました。
すると、思ったよりできる。
そこから、お菓子や指などを使いながら、ときどき引き算で遊ぶようになりました。
現在は「5−2」のような簡単な引き算なら、指を使わなくてもだいたい答えられます。
ただ、10以内でも数が大きくなってくると、私や夫の指を借りたり、紙に○を書いたりすることもあります。
式だけを見てもだいたい同じ程度。文章問題は、状況をかみ砕いて説明すると分かるかな、という段階です。
まだ本格的に引き算学習を進めているわけではないので、足し算と引き算が混在したプリントで自分で演算を選べるか、どちらからどちらを引くのか判断できるかなどは、これからです。
「4歳で引き算ができる」といっても、できる内容にはかなり幅があります。
4歳・年中への引き算の教え方|わが家は具体物から始めた
4歳に引き算を教えるなら、わが家ではいきなり「−」の式から始めるより、目で見えるものを動かす方法が分かりやすいと感じています。
実際に使ったのは、次のようなものです。
- お菓子やおもちゃ
- 指
- 紙に書いた○
- 玉そろばん
- 数字や式
STEP1|お菓子やおもちゃで「減る」を見せる
最初は、子どもが実際に触れられるものが一番分かりやすいです。
たとえば、お菓子を5個並べます。
「5個あるね。2個食べたら何個になる?」
と言いながら、本当に2個取り除きます。
すると、
5個あった → 2個なくなった → 3個残った
という変化を目で確認できます。
最初から「5−2は?」と聞くより、「なくなった」「残った」を体験できるので、わが家では理解しやすそうでした。
STEP2|指を使って考える
実物がなくても、指があればすぐ問題を出せます。
5本出して、2本折る。
残った指を数える。
わが家では、自分の指だけでは足りないときに「ママの指貸して」「パパの指も」と使うこともあります。
暗算できないから指を使わせない、とはしていません。
今は頭の中だけで分からなければ、見える形にして考えればいいと思っています。
STEP3|紙に○を書いて消す
具体物と数字の間をつなぐ方法として、紙に○を書くのもよく使います。
たとえば「6−2」なら、
○ ○ ○ ○ ○ ○ 2個消す ○ ○ ○ ○ 残りは4個
とします。
お菓子がなくてもできますし、「数」を図として見られるので、式だけでは分からないときにも便利です。
STEP4|玉そろばんで数が減る様子を見る
引き算では、足し算のとき以上に玉そろばんが活躍しています。
たとえば玉を7個寄せて、そこから3個戻す。
すると、残った玉の数がそのまま見えます。
指や紙と同じように「数が減る」という動きを自分の手で操作できるのが使いやすいところです。
STEP5|意味が分かってきたら式につなげる
実物で「5個から2個なくなったら3個」と分かるようになったら、
5−2=3
という式にもつなげられます。
ただ、わが家は現在も数字や式だけの引き算をたくさん練習しているわけではありません。
式で分からなくなったら、また指や○、玉そろばんに戻ります。
お菓子・おもちゃ → 指 → 紙の○ → 玉そろばん → 数字・式
必ずこの順番で進む必要はありません。分からなくなったら、本人が理解できる「見える数」に戻すようにしています。
「残りはいくつ?」だけじゃない|「何個違う?」も引き算につながる
引き算というと、
「5個から2個取ったら、残りはいくつ?」
のような問題を思い浮かべやすいですよね。
でも、引き算につながる場面は「なくなる」だけではありません。
わが家で娘が特に好きなのが、弟とお菓子を比べる場面です。
娘のお菓子が5個、弟のお菓子が3個。
すると「私のほうが多い!」「数が違う!」とすぐ気付きます。
そこで「何個違う?」と聞くと、差を考える遊びになります。
たとえば、
娘:●●●●●
弟:●●●
と横に並べれば、「余っている2個」が見えます。
「5個から3個取ったら?」と「5個と3個は何個違う?」は、場面は違いますが、どちらも引き算につながる数量の関係です。
幼児に引き算を教えるときは、「−という記号を覚える」だけでなく、生活の中のいろいろな数量関係に触れるのがおすすめです。
お菓子やおもちゃなら、「なくなる」「残る」「どちらが多い」「何個違う?」を自然に話題にできます。
4歳の引き算でつまずいたら「できるところ」まで戻ればOK
今のところ、わが家は本格的な引き算プリントにはまだ取り組んでいません。
そのため、今後はこんなところで迷う可能性もあると思っています。
- 足し算と引き算が混ざると、どちらを使えばいいか分からない
- どちらの数からどちらを引けばいいか分からない
- 文章問題になると意味をつかめない
- 実物なら分かるのに式だけでは分からない
でも、それなら「まだ理解していない」と焦るより、一つ前の分かる形に戻ればいいと思っています。
たとえば、
式で分からない → ○を書く → 指で見る → お菓子を動かす
という具合です。
具体物に戻って分かるなら、「引き算ができない」のではなく、まだ抽象的な式だけで考える段階に慣れていない可能性もあります。
この記事で紹介している順番は、「4歳児の正式な引き算習得段階」を示すものではありません。
わが家で負担なく取り組めた方法を、家庭で試しやすい形に整理したものです。子どもの興味や理解に合わせて、順番を変えたり途中でやめたりして大丈夫です。

七田式プリントBでは引き算をどう学ぶ?
わが家は現在、七田式プリントBに取り組んでいます。
ただ、今のところ七田式プリントBで「5−2=3」のような引き算の計算を本格的に練習しているわけではありません。
七田式公式では、プリントBの「かず」について、数の認識・対応や合成分解など、足し算・引き算につながる力を育てる内容として紹介されています。
一方、公式の七田式プリントCサンプルでは、絵を見ながら「ひきざんのしき」を作る問題が実際に確認できます。
そのため、わが家ではプリントBを「引き算の計算を先取りする教材」というより、数の大小や合成・分解など、今後の計算につながる土台を作るものとして取り組んでいます。
七田式プリントBではまだ本格的な引き算には入っていません。
だからこそ家庭でも、式の演習を急ぐより、お菓子や玉そろばんを使って「減る」「違う」を考える程度にしています。
七田式プリントBとCのどちらから始めるか迷っている方は、こちらの記事で実際にBを選んだ理由もまとめています。
七田式プリントBとCどっち?4歳半で初めてなら?選び方を実体験から解説
トドさんすうは引き算の理解にも役立った?
わが家では2歳ごろからトドさんすうも使っています。
トドさんすうには、数を数える内容だけでなく、段階的に足し算・引き算へ進むカリキュラムがあります。
実際、娘もアプリの中で引き算問題に取り組んでいます。
ただし、私は「トドさんすうをやったから4歳で引き算ができるようになった」とまでは考えていません。
トドさんすうを使ってよかったと特に感じているのは、数を考えるための素地が自然とできてきたことです。
数える、多い・少ない、数を動かす、足したり引いたりする。こうした内容にゲーム感覚で触れてきたことは、今の数理解につながっているように感じます。
これはあくまでわが家の実感ですが、「引き算だけを覚える」のではなく、いろいろな角度から数に触れてきたことは大きかったと思います。
4歳・年中に引き算を教えるとき、急がなくていいこと
4歳で引き算に興味を持ったら、楽しく取り入れるのはいいと思います。
ただ、わが家では次のようなことは急いでいません。
答えを暗記させる
「5−2は3」「6−3は3」と答えをたくさん覚えるより、今は「どうして3になるのか」が見えることを大切にしています。
指を使うのをやめさせる
指を使えば分かるなら、わが家では使っています。
それでも足りなければ親の指も貸します。
頭の中だけで計算できることを急ぐより、本人なりの方法で数量を確かめられることを優先しています。
できるまで同じ問題を繰り返す
分からない問題が続くときは、その日は終わりでもいいと思っています。
別の日にお菓子を食べながら「あと何個?」と聞いたほうが、あっさり分かることもあります。
周りの「4歳でできた」と比べる
4歳でも暗算できる子もいれば、まだ引き算自体に興味がない子もいます。
幼児期の数量については、公的にも一律の引き算到達ラインが設けられているわけではありません。
「同じ年の子ができるから」ではなく、本人が数に興味を持っているかを見ながら進めたいところです。
足し算がまだできなくても引き算を始めていい?
「足し算を完璧にしてから引き算へ進まないといけない?」と気になるかもしれません。
でも、幼児の日常では足し算と引き算につながる経験が混ざって存在しています。
たとえば、
- お皿にお菓子をもう2個足す
- 積み木を3個持ってくる
- お菓子を1個食べて残りを数える
- きょうだいの数を比べる
といったことです。
そのため、「足し算の式が全部できるまで、引き算の話をしてはいけない」と考える必要はありません。
一方で、4歳のうちに足し算・引き算の計算をどんどん先取りする必要があるわけでもありません。
生活の中で「増えた」「減った」と感じたときに、一緒に数えてみる。それくらいからでも十分です。
わが家で足し算をどう教えたかは、こちらで詳しくまとめています。
4歳・年中の引き算についてよくある質問
4歳で引き算ができないのは遅いですか?
4歳で引き算ができないからといって、それだけで遅いとはいえません。
幼児期に「4歳までに引き算を習得する」という公的な到達基準はなく、減法は小学校1年生の算数でも学習します。
まずは数を数える、多い・少ないを比べる、物が減る経験をするなど、数の土台を大切にしてみてください。
年中では引き算をどこまでできればいい?
「年中なら5まで」「10まで」などの一律の公的基準はありません。
引き算に興味があれば簡単な問題を楽しんでもいいですし、まだ興味がなければ、生活の中で数を数えたり比べたりするところからで大丈夫です。
引き算は何歳から教えればいい?
「○歳から必ず教える」という決まりはありません。
子どもが「あと何個?」「どっちが多い?」と数に興味を持った場面を、引き算につながる遊びのきっかけにすると取り入れやすいです。
指を使って引き算をしてもいい?
わが家では使っています。
指で数量を確かめると理解できる段階なら、無理に暗算だけにする必要はないと考えています。
指だけで難しければ、紙に○を書いたり、お菓子や玉そろばんに戻ったりしています。
まとめ|4歳の引き算は「式」より「減る・残る・違う」を楽しもう
わが家では、「4歳だから引き算を教えよう」と始めたわけではありません。
足し算の問題を楽しんでいた娘に、試しに引き算を出してみたら、意外とできた。
そこから少しずつ遊びに取り入れるようになりました。
今は5−2程度ならだいたい暗算できますが、数が大きくなれば指も使いますし、紙に○も書きます。
特に活躍しているのが、
お菓子・おもちゃ → 指 → 紙の○ → 玉そろばん
といった「見える数」です。
また、「食べたら何個残る?」だけでなく、「弟と何個違う?」という日常のやり取りも、引き算につながる楽しい数遊びになっています。
- 4歳・年中で引き算ができなくても遅いとはいえない
- 幼児期に引き算の一律の公的到達基準はない
- 引き算は小学校1年生でも学習する
- 最初は「減る」「残る」「何個違う?」を実物で体験する
- 式で分からなければ指・○・具体物へ戻ってOK
- わが家では足し算以上に玉そろばんが役立った
4歳は「何問計算できるか」を競う時期ではなく、数っておもしろい、と感じる経験を増やせる時期。
できなければ一つ戻る。できたら一緒に喜ぶ。
わが家も、そんなくらいのペースで引き算と付き合っていこうと思っています。