「3歳なのに、塗り絵がぐちゃぐちゃになってしまう」
「線から大きくはみ出すし、好きな色でぐるぐる塗っているだけ。これで大丈夫?」
3歳ごろになると、保育園や幼稚園、おうちでも塗り絵をする機会が増えますよね。ほかの子がきれいに塗っていると、わが子の塗り方がちょっと気になることもあると思います。
わが家でも、3歳のころは線からはみ出してばかり。1色だけでぐるぐる塗ることもありました。
でも、3歳で塗り絵が上手にできなくても、それだけで発達に問題があるとはいえません。
POINT|3歳の塗り絵はどう考えればいい?
- 線からはみ出したり、ぐるぐる塗ったりすることもある
- 3歳で枠の中をきれいに塗れなくても、それだけで心配しすぎなくて大丈夫
- まずは大きくて簡単な塗り絵から楽しむ
- 嫌がるときは無理に練習させなくてOK
わが家では、子どもの好きなように塗らせながら、親も一緒に楽しんでいました。そして4歳ごろになると、少しずつ枠を意識して塗れるようになってきました。
この記事では、そんなわが家の経験も交えながら、3歳で塗り絵がはみ出す理由や、楽しく取り組むための工夫を、教材編集者の視点からわかりやすく紹介します。
3歳の塗り絵はどこまでできればいい?
3歳になると、線の内側を意識して塗れる子もいます。一方で、枠から大きくはみ出したり、絵全体を同じ色で塗ったりする子もいます。
塗り絵には、クレヨンを動かす力だけでなく、目で見た場所に合わせて手を動かす力も関わっています。
そのため、「3歳になったら、線からはみ出さずに塗れるはず」と考える必要はありません。
たとえば、米国疾病予防管理センター(CDC)の3歳の発達の目安には、大人がお手本を見せると丸を描くことが挙げられています。
ただ、丸を描くことと、決められた線の内側を塗り続けることは別の動きです。CDCの目安も、塗り絵の上手さを判定するものではありません。
ぐるぐる塗り・はみ出し・1色塗りもある
3歳ごろの塗り絵では、こんな様子が見られることがあります。
- ぐるぐる塗る:クレヨンを大きく動かすことを楽しんでいる
- 線からはみ出す:思った場所で手を止めるのが、まだ難しい
- 1色だけで塗る:その色がお気に入りだったり、色を替えることに興味がなかったりする
- 一部分だけ塗る:好きなところを塗って満足している
- 途中でやめる:疲れたり、ほかの遊びをしたくなったりする
もちろん、理由は子どもによってさまざま。塗り方だけで、発達の様子や子どもの気持ちを決めつけることはできません。
「どうして上手に塗れないの?」と考えるよりも、「今はどんな塗り方を楽しんでいるのかな?」と見てみると、少し気持ちがラクになるかもしれませんね。
わが家も3歳では線からはみ出していた
わが家の実体験|3歳から4歳で変わったこと
わが家の子どもも、3歳のころは塗り絵の線からよくはみ出していました。
ぐるぐると塗ったり、色を使い分けずに1色だけで塗ったりすることもありました。
使っていたのは、市販の塗り絵やワーク、無料の印刷プリント、好きなキャラクターの塗り絵など。
塗り絵は好きで、ときどき遊んでいました。親も一緒に塗ることがありましたが、基本的には子どもの好きなように塗らせていました。
そして4歳ごろになると、少しずつ枠を意識して塗れるようになりました。
もちろん、これはわが家の一例です。4歳になれば、みんなが同じように塗れるという意味ではありません。
ただ、3歳のときにははみ出していた塗り絵も、成長とともに変わっていくことがあるんだなと感じました。
ほかの子と比べるより、少し前のわが子と比べてみる。そんな見方も大切にしたいですね。
3歳で塗り絵がはみ出すのはなぜ?考えられる4つの理由
子どもが塗り絵をすると、線から大きくはみ出したり、なかなか塗り終わらなかったりすることがあります。
その背景には、いくつかの理由が考えられます。
① 手を思いどおりに動かすのがまだ難しい
大人にとっては簡単そうな塗り絵も、小さな子どもにとっては意外と難しいものです。
たとえば、大きな丸をぐるぐる塗るだけならできても、小さな丸の中だけを塗るのは難しいことがあります。
線の近くでクレヨンを止めたり、向きを変えたりするには、目で見ながら手を細かく調整しなければならないからです。
こうした目と手の動きを合わせる力は、遊びや生活のなかで少しずつ育っていきます。
はみ出してしまうときは、まず広いところを自由に塗れる絵から試してみるといいですね。
塗り絵だけでなく、線をなぞることも苦手な場合は、3歳で線なぞりができない理由と、おうちでできる練習方法も参考にしてみてください。手を動かす練習を、無理なく取り入れるヒントを紹介しています。
② そもそも枠の中を塗ろうとしていない
大人は塗り絵を見ると、「線からはみ出さずに塗るもの」と考えがちですよね。
でも、3歳の子どもは、枠の中をきれいに塗ることよりも、クレヨンを大きく動かしたり、紙に色がついたりすることを楽しんでいる場合もあります。
1色だけでどんどん塗っていても、本人はとても楽しいのかもしれません。
そんなときは、正しい塗り方を何度も教えるより、まず好きなように塗らせてあげてもいいと思います。
③ 塗り絵の絵柄が細かすぎる
塗り絵が苦手に見えるときは、使っている塗り絵が難しすぎる可能性もあります。
小さなパーツがたくさんある絵や、細かい模様が並んだ絵は、3歳の子どもには塗りにくいことがあります。
同じ3歳向けでも、塗る範囲の大きさや絵の細かさによって、難易度はかなり変わるんですね。
うまく塗れないときは、子どもに頑張ってもらう前に、塗り絵そのものを簡単にしてみましょう。
④ 塗り絵を最後まで完成させたいわけではない
最初は楽しそうに塗っていたのに、途中でやめてしまうこともありますよね。
でも、それだけで集中力がないとは限りません。
少し塗ったところで満足したり、疲れたり、別の遊びをしたくなったりすることもあるでしょう。
必ずしも一枚を完成させなくて大丈夫。「今日はここまで塗ったね」と、途中で終わっても構いません。
3歳で塗り絵が苦手なときに試したい5つの工夫
塗り絵がうまくできないときは、何度も練習させるより、ちょっとした工夫で取り組みやすくなることがあります。
おうちで気軽に試せる方法を紹介するね。
① 大きくて簡単な絵から始める
最初は、塗るところが大きく、パーツの少ない絵を選ぶのがおすすめです。
たとえば、りんごが一つ大きく描かれた塗り絵なら、細かい部分を気にせずクレヨンを動かせます。
難しそうなら、対象年齢が2歳向けのものを選んでもOK。3歳だから3歳向けを使わなければいけない、ということはありません。
② 枠線が太くて見やすいものを選ぶ
塗る場所が分かりにくそうなときは、枠線が太い塗り絵を試してみましょう。
線がはっきりしていると、「ここを塗るんだな」と意識しやすい子もいます。
大きな丸や果物などを親が描いて、簡単な塗り絵を作ってもいいですね。
ただし、太い線なら必ずはみ出さなくなるわけではありません。少し取り組みやすくするための工夫として考えてみてください。
線からはみ出すことが気になる場合は、迷路の線をたどる遊びも参考になります。3歳で迷路ができない理由と、無理なく楽しむための工夫では、迷路が難しいと感じるときの考え方を紹介しています。
③ 持ちやすいクレヨンを使う
細い色鉛筆が扱いにくそうなら、太めのクレヨンなどを試してみるのも一つの方法です。
軽い力でも色がつくものなら、塗ることを楽しみやすくなる場合があります。
手の大きさや持ちやすさは子どもによって違うので、その子が使いやすそうなものを選んであげたいですね。
④ 一枚全部を塗ろうとしない
「今日はりんごだけ塗ろうか」「この丸を塗ってみる?」というように、少しだけ取り組むのもおすすめです。
小さな範囲なら、気軽に始めやすいですよね。
途中で満足したら、そこでおしまいにしても大丈夫。
全部を塗り終えることより、また塗り絵をしたいと思えることを大切にしましょう。
⑤ 親も隣で一緒に楽しむ
わが家でも、子どもと一緒に塗り絵をすることがありました。
基本的には自由に塗らせていて、線からはみ出したからといって、細かく直すことはしていませんでした。
親も隣で色を塗りながら、「何色にしようかな」「その色にしたんだね」と話すだけでも、楽しい時間になります。
上手なお手本を見せることより、一緒に楽しむことを意識してみるといいですね。
3歳の塗り絵はどんなものを選ぶといい?
市販の塗り絵やワークを選ぶときは、パッケージの対象年齢だけで決めなくても大丈夫です。
教材編集者としては、特に「塗る場所の大きさ」「絵の細かさ」「子どもの興味」を見て選びたいと思います。
教材編集者MEMO|塗り絵を選ぶ3つのポイント
- 塗る範囲が広い:細かな動きが苦手でも、のびのび塗りやすい
- パーツが少ない:どこを塗ればいいか分かりやすい
- 好きな絵柄:子どもが「塗ってみたい」と思いやすい
難しい教材を頑張って終わらせるより、今の子どもが楽しく取り組めるものを選びたいですね。
わが家でも、市販の塗り絵やワークだけでなく、無料の印刷プリントや好きなキャラクターの塗り絵を使っていました。
必ずしも新しい教材を買う必要はありません。おうちにあるものや無料のプリントでも、十分楽しめます。
「簡単すぎるかな?」と思うくらいの絵でも、子どもが楽しんでいるなら、それでいいと思います。
塗り絵に慣れてきて、鉛筆やクレヨンを使った別の遊びも試したくなったら、迷路ワークも選択肢のひとつです。3歳におすすめの迷路ワークと選び方では、取り組みやすさや難易度を考えながら選ぶヒントを紹介しています。
塗り絵を嫌がる3歳には、別の遊びでも大丈夫
塗り絵そのものに興味がない子もいますよね。
そんなときは、無理に塗り絵をさせなくても大丈夫。手先を使う遊びは、ほかにもたくさんあります。
- シール貼り:シールを指先でつまんで貼る
- 粘土遊び:丸めたり、押したり、伸ばしたりする
- 自由なお絵描き:好きな線や形を描く
- スタンプ遊び:好きなところに色や模様をつける
- 紙をちぎる遊び:指先で紙をつかんでちぎる
たとえば、塗り絵は嫌いでも、シール貼りや粘土は大好きという子もいるでしょう。
CDCの2歳半ごろの子ども向けの遊びの提案でも、クレヨンで自由に描いたり、大人の描いた線をまねしたりする遊びが紹介されています。
最初から枠の中を塗ることにこだわらず、自由なお絵描きから楽しんでもいいんですね。
また、塗り絵だけでなくワーク全般を嫌がる場合は、3歳がワークを嫌がるときの原因と対応も参考にしてみてください。無理なく取り組むためのヒントをまとめています。
3歳の塗り絵で気をつけたい声かけ
子どもが塗り絵をしていると、「そこは赤じゃない?」「線からはみ出さないようにね」と、つい教えたくなることもありますよね。
もちろん、塗り方を教えること自体が悪いわけではありません。
ただ、毎回直されてしまうと、塗り絵が楽しくなくなる子もいるかもしれません。
注意|上手に塗ることを急がなくてOK
「またはみ出したね」「もっときれいに塗って」「最後まで塗りなさい」といった言葉は、子どもにとって負担になることもあります。
まずは、塗り絵そのものを楽しめているかどうかを見てあげたいですね。
たとえば、こんな声かけに変えてみるのもいいと思います。
- 「またはみ出しているよ」→「たくさん塗ったね」
- 「そこは違う色でしょ」→「その色が好きなんだね」
- 「もっときれいに塗って」→「ここを塗ったんだね」
- 「最後まで塗りなさい」→「今日はここまでにする?」
もちろん、毎回何か声をかける必要はありません。
子どもが夢中になっているなら、そっと見守るだけでもいいですね。
3歳で塗り絵ができないと、発達障害の可能性がある?
「3歳なのに塗り絵がぐちゃぐちゃ。もしかして発達に問題があるのかな?」と心配になることもあると思います。
でも、線からはみ出す、1色だけで塗る、途中でやめるといった様子だけで、発達障害かどうかを判断することはできません。
塗り絵には、手先の動きや目と手を合わせる力、本人の興味など、いろいろなことが関わっています。
子どもによって得意なことも、興味を持つことも違います。
ただし、塗り絵以外でも日常生活で困っていることがあるなら、そこは別に考えてあげたいところです。
発達について相談したいとき
塗り絵だけでなく、食具を使うことや着替えなど、手先を使う日常の動きでも困りごとが続いている場合は、かかりつけの小児科医や自治体の発達相談窓口に相談してみましょう。
また、以前できていたことができなくなった場合や、保護者が気になることがある場合も、年齢を待たずに相談して大丈夫です。
CDCの発達に関する案内でも、気になることがあるときは医療者に相談するよう勧められています。
塗り絵が上手かどうかだけでなく、ふだんの遊びや生活の様子も合わせて見ていくことが大切なんですね。
3歳の塗り絵についてよくある質問
3歳で塗り絵がぐちゃぐちゃなのは普通?
3歳では、線からはみ出したり、ぐるぐる塗ったりすることもあります。
それだけで発達に問題があるとはいえません。塗り絵以外の様子も合わせて見ながら、子どもの成長を見守っていきましょう。
3歳なら線からはみ出さずに塗れる?
3歳でも枠を意識して塗れる子はいますが、みんなができるわけではありません。
塗る場所が大きいか小さいかによっても難しさは変わります。まずは簡単な塗り絵から楽しんでみてくださいね。
1色だけで塗っていても大丈夫?
1色だけで塗ることもあります。
お気に入りの色を使いたいのかもしれませんし、色を替えるよりも、クレヨンを動かすことが楽しいのかもしれません。
1色で塗ることだけを理由に、心配しすぎる必要はありません。
何歳からきれいに塗れるようになる?
塗り方が変わっていく時期には個人差があるので、何歳からとは一律に決められません。
わが家では、3歳ではよくはみ出していましたが、4歳ごろには枠を意識するようになりました。
ただ、これは一例です。ほかの子と比べるより、以前の本人からの変化を見てあげたいですね。
塗り絵は毎日練習したほうがいい?
毎日必ず練習する必要はありません。
好きなら楽しむ時間を作り、嫌がる日はほかの遊びにしてもOKです。親子で無理なく続けられる形が一番ですね。
まとめ|3歳の塗り絵は上手さより楽しさを大切に
3歳で塗り絵が線からはみ出したり、ぐるぐる塗ったりすることがあっても、それだけで心配する必要はありません。
POINT|この記事のまとめ
- 3歳で枠の中をきれいに塗れなくても、それだけで発達の問題とはいえない
- まずは大きくて簡単な塗り絵を選ぶ
- 自由に塗る時間も大切にする
- 嫌がるときは無理に練習させない
- 気になることがあれば、塗り絵以外の生活の様子も合わせて考える
わが家でも、3歳のころは線からはみ出したり、1色でぐるぐる塗ったりしていました。
それでも塗り絵は好きで、ときどき楽しんでいました。そして4歳ごろには、少しずつ枠を意識するようになりました。
今できないことばかりに目を向けず、子どもが楽しんでいることや、少しずつ変わっていく様子も大切にしていきたいですね。
塗り絵だけでなく、お絵描きや工作などでもすぐに「できない、ママやって」と言う場合は、3歳の「できない、ママやって」への接し方も参考にしてみてください。
参考文献・参考資料
※発達の目安は、子どもの成長を理解するための参考情報です。塗り絵の完成度だけで発達を判断するものではありません。