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幼稚園で漢字教育は必要?実際に通わせて感じたメリット・デメリットを教材編集者が解説

「幼稚園で漢字を教えるって、ちょっと早くない?」

「ひらがなもまだ完璧じゃないのに、漢字までやる必要ある?」

「漢字教育をしている幼稚園のほうが、小学校に入ってから有利なのかな?」

幼稚園を選んでいると、「漢字教育」を取り入れている園を見かけることがあります。

実は、わが家の子どもが通っている幼稚園も、漢字教育を取り入れている園です。

入園前は私自身、

「幼稚園から漢字って必要なのかな?」

と少し疑問に思っていました。

私は仕事で幼児向けを含む教材の編集に携わっていますが、だからこそ「早く教えれば教えるほどいい」とは考えていません。

幼児期には幼児期に合った学び方があります。

実際に子どもが漢字教育のある幼稚園に通うようになって感じたのは、

「漢字を何文字覚えたか」より、「文字って面白い」と思えることのほうがずっと大事

ということでした。

この記事では、

  • 幼稚園で漢字教育は必要なの?
  • 幼児から漢字に触れるメリット
  • 漢字教育のデメリットや注意点
  • 実際に漢字教育のある幼稚園に通わせて感じたこと
  • 家庭ではどこまで漢字を教えればいい?

について、教材編集者としての視点と、実際に子どもを通わせている親としての視点の両方からお話しします。

「漢字をやっていないと遅いのかな」と心配している方にも、ぜひ読んでもらえたらと思います。

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contents

結論|幼稚園で漢字教育は「必須」ではない

最初に結論から。

小学校入学前に漢字を覚えておく必要はありません。

現在の小学校では、1年生で「一・右・雨・円・王・音・下・火・花……」など80字の漢字を学習します。

つまり、漢字は小学校に入ってからきちんと学ぶ内容です。

幼稚園でたくさん漢字を読める子もいれば、ほとんど知らない子もいます。

どちらでも大丈夫。

「年長なのに漢字が読めない」

「お友達は漢字を知っているのに……」

と焦る必要はありません。

むしろ幼児期に大切にしたいのは、漢字を暗記することではなく、

「文字には意味があるんだ」
「読めると楽しいな」

と感じることです。

文部科学省の幼稚園教育要領解説でも、幼児期は文字を使いこなせるようにすることそのものを目的にするのではなく、生活や遊びの中で文字に触れ、その役割や面白さに気づいていくことが重視されています。

この考え方は、教材を作る側としても、とても納得できます。

幼児教育は「小学校の勉強を前倒しすること」とは少し違うんですよね。

そもそも幼稚園の「漢字教育」って何をするの?

ここは園によってかなり違います。

「漢字教育」と聞くと、

「幼稚園児が机に座って、漢字を何回も書いているの?」

と思うかもしれません。

でも、必ずしもそうではありません。

例えば、

  • 名前を漢字で見る
  • 漢字を使った絵本や文章を見る
  • 日常的に漢字に触れる
  • 漢字と意味を結びつける
  • 声に出して読む

など、「書く」より「見る・読む」を中心に取り入れている園もあります。

そのため、幼稚園を選ぶときには「漢字教育をしているかどうか」だけではなく、

どんな方法で漢字に触れているのか

まで確認しておくのがおすすめです。

子どもが楽しみながら触れているのか。

正解を求められる時間になっていないか。

たくさん書かせることが中心になっていないか。

同じ「漢字教育」でも、ここはかなり大きな違いです。

わが家も漢字教育のある幼稚園に通っています

わが家の子どもが通っている幼稚園でも、漢字教育が取り入れられています。

とはいえ、家で私が

「今日はこの漢字を覚えよう!」

と教え込んでいるわけではありません。

むしろ家庭では、漢字の先取り学習はほとんどしていません。

それでも園生活の中で漢字を目にするため、ときどき家でも、

「これ知ってる」

と漢字に反応することがあります。

そんな姿を見ると、

「あ、本当に自然に覚えていくんだな」

と思います。

ここで私が面白いと感じたのは、子どもにとって漢字が必ずしも「難しい勉強」ではないことです。

大人は「漢字=覚えるもの」と考えてしまいますが、子どもにとっては、

「いつも幼稚園で見るマーク」

「自分の知っている言葉の形」

くらいの感覚なのかもしれません。

もちろん、すべての漢字を正確に読めるわけではありません。

読み方を間違えることもあります。

でも、それでいいと思っています。

今は「知っている漢字が増えること」より、

文字を見て「これ何?」と思えることのほうを大事にしたいからです。

幼稚園で漢字教育をするメリット

では、実際に幼児期から漢字に触れることには、どんなメリットがあるのでしょうか。

ここでは「漢字を早く覚えれば頭がよくなる」といった話ではなく、実際に感じやすいメリットを考えてみます。

メリット① 漢字を「難しいもの」と思いにくい

個人的に一番大きいと感じているのがこれです。

小学校に入って初めて、

「今日から漢字を勉強します!」

と言われるのと、

「これ、見たことある」

という状態で出会うのでは、心理的なハードルが少し違います。

例えば、

「山」「川」「木」「日」「月」

などは、形と意味を結びつけやすい漢字です。

「山って、本当に山みたいな形だね」

そんな会話だけでも、漢字がちょっと面白くなります。

小学校1年生の国語でも、漢字の形と実物や絵を結びつけながら、漢字への興味を高める指導が示されています。

幼児期も同じで、「覚えよう」とするより「面白いね」から入るほうが自然です。

メリット② 文字への興味が広がるきっかけになる

漢字を読めるようになること自体より、こちらのほうが大事かもしれません。

子どもが文字に興味を持つようになると、

「これ何て書いてあるの?」

「この字知ってる!」

と、身の回りの文字を見るようになります。

スーパーの表示。

駅の看板。

絵本のタイトル。

自分や家族の名前。

街の中を歩いているだけでも、文字はたくさんあります。

漢字教育をきっかけに、そうしたものへ目が向くようになれば、それだけでも十分な学びだと思います。

メリット③ 漢字は「意味」と結びつけて楽しめる

漢字の面白いところは、一文字に意味があることです。

「木」が増えると「林」になり、さらに「森」になる。

「山」は山の形に見える。

「川」は水が流れているようにも見える。

こうした漢字なら、幼児でもイメージと結びつけて楽しめます。

「この字を覚えなさい」ではなく、

「なんでこんな形なんだろうね?」

と一緒に考える。

これなら立派な言葉遊びになります。

メリット④ 絵本や身近な文章を読む楽しみが増えることがある

知っている漢字が絵本に出てくると、

「あ!これ読める!」

となることがあります。

大人からすると一文字だけでも、子どもにとっては大きな発見です。

全部読めなくても構いません。

一文字読める。

タイトルの一部分が分かる。

自分の名前と同じ字を見つける。

そんな小さな「読めた!」が、文字への興味につながります。

漢字教育にはデメリットもある?

ここまで読むと、

「じゃあ、やっぱり幼稚園から漢字をやったほうがいいのでは?」

と思うかもしれません。

でも、私はそうは思いません。

漢字教育はやり方によっては負担になる可能性もあるからです。

デメリット① 「覚えること」が目的になってしまう

一番気をつけたいところです。

「昨日やった漢字、読める?」

「これは?」

「じゃあ、これは?」

つい確認したくなりますよね。

私も教材編集の仕事をしているので、子どもの理解度が気になってしまうことがあります。

でも、家までテストのような時間になってしまったら、子どもは疲れてしまいます。

幼稚園で漢字に触れているなら、家庭では、

「へえ、それ知ってるんだ!」

くらいでも十分。

知らなくても、

「これは『川』って読むんだよ」

で終わり。

覚えたかどうかをその場で確認しない。

このくらいの距離感のほうが、わが家には合っていると感じています。

デメリット② 「書く」ことまで急ぐと負担になりやすい

ここは、特に注意したいところです。

「読めるなら、次は書かせよう」

と考えたくなりますが、読むことと書くことは同じではありません。

幼児期は、鉛筆を使った細かな動きもまだ発達の途中です。

漢字には、ひらがな以上に線が多いものもあります。

それを何度も書かせるより、

  • お絵描き
  • 迷路
  • 線つなぎ
  • 折り紙
  • 粘土
  • 工作

などを楽しむことも、書くための土台になります。

漢字が読めるからといって、書けるところまで急ぐ必要はありません。

デメリット③ できる・できないを比べやすくなる

幼児期の文字の発達にはかなり個人差があります。

年中で漢字を読む子もいれば、まだひらがなに興味がない子もいます。

ここで、

「○○ちゃんはもう漢字が読めるのに」

と比べてしまうのは避けたいところ。

特に漢字教育のある幼稚園では、周りの子が読んでいる姿を見る機会もあります。

でも、漢字を早く読めることと、その子の賢さは別の話です。

幼児期は文字だけでなく、

外で思い切り遊ぶこと。

友達とけんかして仲直りすること。

虫を見つけて観察すること。

積み木で何かを作ること。

絵本の世界に入り込むこと。

こうした経験も、同じくらい大事です。


「ひらがなより先に漢字」は大丈夫?

これも気になるところですよね。

「ひらがなも全部書けないのに漢字なんて……」

と思うかもしれません。

でも、子どもが興味を持った漢字を読むことまで止める必要はありません。

例えば「電車」が大好きな子なら、

「駅」

という漢字を先に覚えることもあるでしょう。

恐竜が好きなら、図鑑の中の難しい漢字を覚えてしまうことだってあります。

学ぶ順番は、必ずしも大人の想定通りではありません。

ただし、だからといって幼児期に漢字学習を優先する必要があるわけでもありません。

小学校では、ひらがな・カタカナを読み書きしながら、1年生の漢字80字を順番に学習していきます。

家庭学習では、

「ひらがなを完璧にしてから漢字!」

「漢字を先取りしておかないと!」

と考えるより、

そのとき子どもが興味を持っている文字を一緒に楽しむ

くらいで十分だと思います。

家庭で漢字に触れるなら「勉強」にしなくていい

わが家でも、幼稚園で漢字教育をしているからといって、家で漢字ドリルをどんどん進めているわけではありません。

むしろおすすめしたいのは、日常生活の中で漢字を見つけることです。

散歩しながら探してみる

「入口」

「出口」

「公園」

「駅」

など、街の中には子どもにも分かりやすい漢字があります。

「『口』が入ってる!」

なんて発見だけでもOKです。

自分の名前の漢字を見る

自分の名前は、子どもにとって特別です。

「これが○○ちゃんの名前に入っている字だよ」

と教えると、興味を持つことがあります。

家族の名前と比べてみるのも楽しいですよ。

絵本を読む

漢字教育というと教材を買いたくなりますが、まずは絵本で十分です。

ふりがなのある絵本なら、

「この漢字、知ってる?」

とクイズをする必要もありません。

読み聞かせをしながら、

「ここに『山』って書いてあるね」

くらいでOK。

子どもが食いつかなければ、そのまま読み進めます。

興味を持ったら少し話す。

それくらいがちょうどいいと思います。

漢字を絵として楽しむ

「山って山みたいだね」

「川は水が流れているみたい」

と形を楽しむ方法もあります。

紙に山の絵を描いて横に「山」と書くだけでも、ちょっとした遊びになります。

机に座らなくても漢字には触れられます。

 

漢字教育をしている幼稚園を選ぶときに確認したいこと

これから幼稚園を選ぶ方なら、「漢字教育あり」という言葉だけで判断しないほうがいいと思います。

確認したいのは、何を目的に、どんな方法で行っているかです。

例えば、

  • 読むことが中心なのか
  • 書く練習もするのか
  • どのくらいの時間行うのか
  • 子どもが楽しめる内容なのか
  • 覚えられない子への対応はどうするのか
  • 外遊びや自由遊びの時間とのバランスはどうか

など。

漢字教育があるから「教育熱心ないい園」、ないから「教育に力を入れていない園」と単純に分けることはできません。

私は実際に漢字教育のある幼稚園に子どもを通わせていますが、園選びでより大事だと思うのは、

「その園の教育方針が、自分の子に合っているか」です。

漢字教育は、その判断材料の一つくらいに考えておくのがいいと思います。

 

幼稚園で漢字をやらないと小学校で困る?

基本的には、心配しなくて大丈夫です。

文部科学省の幼稚園教育要領では、幼児期の文字について「正確に何文字読める・書ける」といった到達目標を設けているわけではありません。

むしろ大切にされているのは、生活の中で文字に触れ、

「文字って便利なんだ」

「これを使えば人に伝えられるんだ」

と気づいていくことです。

そして小学校1年生になると、国語でひらがな・カタカナの読み書きや漢字の学習を進めていきます。

漢字については1年生で80字が配当されています。

ですから、

「幼稚園のうちに漢字を覚えていないと授業についていけない」

と考える必要はありません。

教材編集者として思う「入学前に本当に育てたい力」

教材の仕事をしていると、どうしても、

「何歳でどこまでできる?」

という話になりがちです。

ひらがなは?

カタカナは?

数字はいくつまで?

漢字は?

もちろん目安を知ることは悪いことではありません。

でも、自分の子どもを育てていると、教材の上だけでは見えなかったことにも気づきます。

昨日まで全然興味がなかったのに、ある日突然文字を読み始める。

何度教えても覚えなかったものを、好きな絵本に出てきた途端に覚える。

子どもの学びって、意外とそんなものなんですよね。

だから私は、

「年中だからここまで」

「年長だから漢字も」

と線を引きすぎなくてもいいと思っています。

それより、

「これ何?」と聞いたときに一緒に考える。

「読めた!」と喜んだら一緒に喜ぶ。

知らなかったら教える。

興味がなければ、そこで終わる。

この積み重ねのほうが、幼児期には大切なのではないでしょうか。

よくある質問

幼稚園児は漢字を何文字くらい読めればいい?

「○文字読めればOK」という公的な基準はありません。

子どもによる差も大きいため、文字数を目標にする必要はないでしょう。

年少・年中から漢字を教えても大丈夫?

子ども自身が興味を持っているなら、生活や遊びの中で触れる分には問題ありません。

ただし、暗記や反復練習を強いるのではなく、「知りたい」に付き合う形がおすすめです。

幼稚園から漢字ドリルをやったほうがいい?

必須ではありません。

まずは絵本、名前、看板など身近な文字からで十分です。

ワークが好きな子なら教材を使う選択肢もありますが、嫌がるなら無理に取り組ませる必要はありません。

漢字教育のある幼稚園のほうが小学校で有利?

漢字をすでに知っていれば、入学直後の漢字学習で「知っている」という場面はあるでしょう。

ただ、それだけを理由に長期的な学力まで有利になるとは言い切れません。

幼稚園選びでは、漢字教育の有無だけでなく、遊び、運動、友達との関わり、先生との相性、園の雰囲気なども含めて考えたいところです。

まとめ|漢字を覚えることより「文字って面白い」を育てたい

幼稚園で漢字教育は必要なのか。

私の答えは、

「必須ではない。でも、楽しんで触れられるなら、とてもいい経験になる」です。

わが家の子どもも漢字教育を取り入れている幼稚園に通っています。

実際に通わせてみて感じるのは、漢字教育のよさは「小学校の勉強を先取りできること」だけではないということ。

生活の中で漢字を見つけて、

「あ、これ知ってる!」

と反応する。

絵本に知っている字が出てくる。

自分の名前の漢字に興味を持つ。

そんな小さな経験から、文字の世界が少しずつ広がっていきます。

一方で、幼稚園のうちから漢字を何十字、何百字と覚えなければならないわけではありません。

だから、

「うちの子、漢字なんて全然読めない」と焦らなくて大丈夫。

そして漢字が好きな子なら、「まだ早いから」と止めなくても大丈夫です。

幼児期の学びは、みんな同じ順番で進むわけではありません。

好きなら少し広げてみる。
興味がなければ、まだ待つ。

私はそのくらいがちょうどいいと思っています。

漢字を一つ多く覚えることよりも、

「これ何て読むの?」

「なんでこんな形なの?」

「読めた!」

という瞬間を大切にする。

その「知りたい」が、小学校に入ってからも続く学びの土台になってくれたら、それで十分なのではないでしょうか。


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