「4歳なのに、塗り絵がまだ線からはみ出す」
「同じ年齢の子は、もっときれいに塗れるのかな?」
4歳ごろになると、塗り絵もだんだん細かくなり、「このくらいは線の中に塗れたほうがいい?」と気になることがありますよね。
わが家の娘は2歳ごろから塗り絵をしています。
3歳ごろは同じ色をたくさん使い、パーツごとに線の中を塗り分けるというより、全体に色をつけて楽しんでいるような塗り方でした。
それが4歳後半の今では、「ここはリボン」「ここは手」とパーツを意識しながら、いろいろな色を使って塗るようになっています。
線の中も意識していますが、小さなパーツではまだ少しはみ出すことがあります。
それでも3歳のころと比べると、私がいちばん感じるのは、単に「はみ出さなくなった」ということではなく、塗り方そのものが変わったことです。
4歳後半の娘も、細かい部分ではまだ少し線からはみ出します。でも、3歳ごろより線やパーツを意識し、使う色も増えました。わが家では「はみ出すか」だけでなく、塗り方全体の変化を見るようにしています。
この記事では、4歳の塗り絵が線からはみ出すのは遅いのか、2歳ごろから塗り絵をしている娘の3歳→4歳後半の変化と、わが家での関わり方を紹介します。
※子どもの発達や得意不得意には個人差があります。この記事はわが家の実体験と公開されている研究資料をもとにまとめたもので、発達を診断するものではありません。
4歳の塗り絵がはみ出すのは遅い?
まず、4歳で塗り絵が少し線からはみ出すという一点だけで、「遅い」と判断することはできません。
「4歳なら線から一度もはみ出さずに塗れる」といった一律の公的な発達基準も、今回確認した範囲では見つかりませんでした。
一方、4歳から12歳までの子どもを対象に、2本の平行線の間に線を引く課題を行った研究では、線描の正確性は7歳ごろまで年齢とともに向上していました。
もちろん、この研究は塗り絵そのものを調べたものではありません。
ただ、狙った範囲に線を動かす正確さそのものが幼児期にも発達していくことを考えると、4歳の塗り絵を「はみ出した・はみ出さなかった」だけで評価しなくてもいいのでは、と私は感じています。
線描研究の結果を「4歳ならこれくらい塗れる」という塗り絵の発達基準として使うことはできません。ここでは、手を狙った位置へ動かす正確性が幼児期にも発達していくことを知るための参考として紹介しています。
塗り絵は「線の中に塗る」だけの遊びではない
実際に子どもが塗り絵をしているところを見ると、いろいろなことを同時にしています。
- どこを塗るか見る
- 線やパーツの境目を見分ける
- 色を選ぶ
- 鉛筆やクレヨンを動かす
- 塗る範囲に合わせて手をコントロールする
- 小さな部分では動きを細かくする
幼児の描画活動についての研究でも、描画の発達には手指の巧緻性だけではなく、表現内容、図を形づくる力、ことばなど、さまざまな力が関係するとされています。
そのため、「少しはみ出した=塗り絵ができない」と一括りにするより、どんなふうに塗っているかまで見てみると、以前との違いに気づきやすいと思います。
3歳と4歳で塗り絵はどう変わった?わが家の場合
わが家でいちばんわかりやすかったのが、3歳ごろと4歳後半の塗り方の違いです。
3歳ごろ|同じ色で広く塗ることが多かった
娘は2歳ごろから塗り絵をしていました。
当時から色を塗ること自体は楽しんでいましたが、3歳ごろは同じ色を使い続けることが多かったです。
「ここは顔」「ここは服」「ここはリボン」とパーツごとに細かく分けるというより、広い範囲を同じ色で塗ることもよくありました。
使っていたのは、クレヨンが中心です。
線の内側をきれいに埋めることより、色をつけることそのものを楽しんでいるように見えました。
4歳後半|「ここはリボン」とパーツを意識するように
4歳後半になって大きく変わったのが、絵の中のパーツを意識して塗るようになったことです。
「ここはリボン」
「ここは手」
というように、それぞれの部分を見ながら塗っています。
3歳ごろより使う色も増えました。
一つの色で全体を塗るのではなく、場所ごとに色を変えることが多くなっています。
線の中に塗ることも意識しています。
ただし、細かいパーツでは今も少しはみ出すことがあります。
3歳と4歳後半を比べると、「線から出なくなった」以上に、「絵をパーツごとに見て塗るようになった」「使う色が増えた」という変化を大きく感じています。

4歳の塗り絵は「はみ出すか」だけ見なくていいと思った
以前は私も、塗り絵というと「線の中をきれいに塗れるか」に目が行きがちでした。
でも娘の塗り方を長く見ていると、それ以外にもいろいろな変化があります。
- 線を意識するようになった
- 絵のパーツを区別するようになった
- 使う色が増えた
- 細かい場所に合わせて道具を選ぶようになった
幼児の描画構成を調べた研究でも、描画には空間認知などの認知的な力が関わることが示されています。
塗り絵と自由画は同じ課題ではありませんが、「きれいに手を動かせるか」だけでなく、何をどう捉えているかも絵には表れるのだと思います。
わが家では、少し線からはみ出していても、「前よりここをちゃんと分けて塗っているな」といった変化も見るようになりました。
クレヨンから色鉛筆へ|4歳後半で変わった画材
塗り方と一緒に変わったのが、よく使う画材です。
2〜3歳ごろはクレヨンを使うことが多かったのですが、4歳後半の今は全体的に色鉛筆をよく使っています。
小さいパーツは色鉛筆のほうが塗りやすそう
特に違いを感じるのが、小さなパーツです。
クレヨンだと先端が太いため、細かな場所を塗り分けにくそうなことがあります。
色鉛筆なら狙ったところに先端を置きやすく、娘自身も細かい塗り絵ではよく選ぶようになりました。
だからといって、「4歳になったらクレヨンから色鉛筆へ替えるべき」とは考えていません。
広いところはクレヨン、小さいところは色鉛筆など、本人が扱いやすい道具を選べれば十分だと思っています。
わが家は濃くしっかり塗るタイプ
娘はどちらかというと、色を濃くしっかり塗るタイプです。
4歳から12歳を対象にした線描研究では、筆圧にも年齢に伴う変化がみられました。
ただし、塗り絵の筆圧を評価した研究ではないので、「濃く塗るほうがよい」「薄いと問題」という意味ではありません。
わが家では濃さについても直さず、本人が塗りやすい力加減に任せています。
好きなキャラクターの塗り絵だと楽しんで取り組む
最近、娘は塗り絵が好きです。
特に楽しそうなのが、ポケモン、サンリオ、プリキュアなど、本人が好きなキャラクターの塗り絵です。
私が「今日は塗り絵の練習をしよう」と誘導しているわけではありません。
本人が塗りたいものを選び、好きだから繰り返し塗っているうちに、少しずつ塗り方が変わってきました。
「上手になるためにたくさん塗らせる」より、わが家では本人が塗りたいと思える題材を選ぶことのほうが続きやすいと感じています。
わが家では「はみ出さないで」とあまり言わない
塗り絵をしていると、「そこは顔だから肌色じゃない?」などと言いたくなることもあります。
でも、わが家では基本的に自由です。
顔がピンクでもOK|好きな色で塗っている
娘は顔をピンクで塗ることもあります。
見本と同じ色にすることより、自分が使いたい色を選んでいます。
私から「ここはこの色」と指定することは、基本的にありません。
線から少しはみ出していても、塗り直しをさせることもありません。
聞かれたときだけ色や塗り方をアドバイス
「ここは何色がいい?」
「どうやって塗ったらいい?」
と聞かれたときには、一緒に考えたり塗り方を伝えたりします。
ただ、こちらから細かく修正することはしていません。
「線から出ないように塗ろう」と練習させたというより、本人が好きな塗り絵を自由に楽しんでいるうちに、線やパーツを意識して塗るようになりました。
4歳の塗り絵がはみ出すときに試しやすい3つの工夫
わが家の経験から、「細かい部分が塗りにくそうだな」と感じるときに試しやすいと思うのは次の3つです。
①細かすぎない絵柄を選ぶ
同じ4歳でも、塗り絵によって難しさはかなり違います。
小さなパーツがぎっしりあるものより、最初は塗る面が広く、境界線が見やすいもののほうが扱いやすいです。
「線からはみ出す」のが気になるときは、子どもの力だけでなく、塗り絵そのものが細かすぎないかも見てみるといいと思います。
②細かいところは色鉛筆を使ってみる
わが家では、小さいパーツになるとクレヨンより色鉛筆のほうが塗りやすそうでした。
クレヨンでうまく塗れないときには、「まだできない」と考える前に、少し先の細い画材を試してみるのも一つです。
③本人が好きな題材を選ぶ
娘の場合は、好きなキャラクターの塗り絵だとよく取り組みます。
「きれいに塗る練習」ではなく、「これを塗りたい」という気持ちから始まるほうが、自然に手を動かす時間が増えました。

塗り絵だけで「手先が苦手」と判断しなくてもいいと思った
塗り絵が線からはみ出していると、「手先が不器用なのかな?」と気になることもあると思います。
でも、私は塗り絵一つだけでは見ないようにしています。
娘は、はさみでは慎重に線を見ながら比較的きれいに切ります。
折り紙も好きで、4歳後半では見本を見ながら角を合わせて折れるようになりました。
粘土、シール、お絵描き、工作も好きです。
空き箱などを使った工作は、4歳後半になって特にブームになりました。
幼児の手指の巧緻性を調べた研究でも、折り紙だけでなく、マグネット移し、ひも、ビーズ通しなど複数の課題が使われています。また、3〜5歳児では、それらの成績が学年とともに向上する傾向がみられました。
一つの遊びの一部分だけを見て、手先全体の得意不得意を決めるのは難しいのだと思います。
折り紙についても、「4歳なのに全部一人で作れない」と気になったときのわが家の様子をまとめています。
4歳で折り紙ができないのは遅い?見本を見ながら少しずつ上達したわが家の様子
はさみを始めた2歳ごろの様子や、少しずつ連続切りができるようになった過程はこちらです。
2歳ではさみができないのは遅い?いつから使える?簡単な練習方法
4歳の塗り絵についてよくある質問
4歳なら線からはみ出さずに塗れる?
「4歳なら必ず線からはみ出さずに塗れる」という一律の基準は確認できませんでした。
絵柄の細かさや使う画材によっても難しさは変わります。
わが家の4歳後半も線を意識して塗っていますが、小さなパーツではまだ少しはみ出します。
それでも、3歳のころよりパーツを見分けたり、使う色を増やしたりする変化が見られています。
4歳はクレヨンと色鉛筆、どちらがいい?
どちらか一方に決める必要はないと思います。
わが家では2〜3歳ごろはクレヨンをよく使い、4歳後半では色鉛筆を使うことが多くなりました。
特に細かい部分では、先端の細い色鉛筆を本人が選ぶことが増えています。
広いところはクレヨン、細かいところは色鉛筆など、子どもが扱いやすいものを使い分けてもいいと思います。
同じ色ばかり使っていても大丈夫?
使う色の数だけで発達を判断することはできません。
娘も3歳ごろは同じ色を使うことが多く、4歳後半になって自然と使う色が増えました。
この記事では「色をたくさん使うほど発達している」という意味ではなく、娘自身の3歳→4歳の変化として紹介しています。
見本と違う色で塗ってもいい?
わが家では自由にしています。
顔をピンクに塗ることもありますし、実物とは違う色を選ぶこともあります。
「正しい色」に直すより、自分で色を選んで塗ることを楽しんでほしいと思っています。
まとめ|4歳は「はみ出すか」だけでなく塗り方の変化を見たい
4歳後半の娘は、線を意識して塗っていますが、細かいところでは今も少しはみ出します。
それでも、3歳ごろと比べると塗り方はかなり変わりました。
- パーツを区別して塗る
- 使う色が増える
- 線の中を意識する
- 小さい部分では色鉛筆を選ぶ
という変化があります。
特別に塗り絵の練習をさせたわけではありません。
本人が好きな塗り絵を自由に楽しみ、聞かれたときだけ少しアドバイスしているうちに、少しずつ塗り方が変わってきました。
4歳で塗り絵が少しはみ出しても、「線から出たか」だけを見るのではなく、以前よりパーツを見分けられるようになった、色を使い分けるようになったなど、その子自身の変化も見ていきたいと思っています。
鉛筆を使った運筆について「4歳でまだ難しい」と感じている方は、こちらの記事も参考にしてください。
4歳の家庭学習全体を見直したい方はこちらにまとめています。
参考文献
- 「小児期における線描スキルの定量的評価に関する研究」『小児の精神と神経』59巻2号、2019年
- 吉川はる奈・佐藤綾花「幼児の園生活における描画活動の発達に関する研究」日本家政学会第63回大会、2011年
- 進藤将敏「幼児における描画構成の発達:空間認知と反応の切り替えの観点から」『認知心理学研究』11巻2号、2014年
- 山本彩子・赤石元子・鳴海多恵子「幼児の手指の巧緻性における年齢差と性差」日本家庭科教育学会第55回大会、2012年
※参考資料は2026年9月21日時点で確認しています。研究で使われた線描・描画・手指課題の成績を「4歳の塗り絵の合格ライン」としては使用していません。